藤巻製陶

透き通るような青白磁釉薬

藤巻製陶は明治三年（１７７５年）に開窯された青白磁と言われる、青み掛った釉薬を用いた器づくりを得意とする窯元さんです。 青白磁といえば藤巻製陶と言われるような、有田のなかで最も定評があります。現在は、息子さんの藤本浩輔さんが中心となって、現代の暮らしにも合う有田焼を提案すべく日々精力的に活動されています。そんな藤巻さんの器ですが、一言で言うと品があります。 品と言ってもアバウトですが、焼き物作りで重要な、素地（焼く前の状態）から美しいです。薄すぎず、厚過ぎずの縁の厚み。心地よい重さ。そして、透き通るような透明感のある青白磁釉薬。代々受け継いだ製法を守り、変わるべきところ、守るべきところを見極めながら、日々、 製作に励んでおられます。焼き物は原料は同じでも、調合、焼き方、全て窯独自の手法があります。例えば、同じ器を違う窯で焼くとうまく発色しなかったりすることもあります。美しい青白磁は、藤巻製陶でしか焼けない。それぐらい細やかな管理が必要とされる現場で生まれた器。暮らしの定番となり得る、飽きが来ない長く使える器です。